2024年3月15日金曜日

2024年3月13日水曜日

連載 心販研コラム「心理のこまど」

 連載「心販研コラム 心理のこまど」
心販研12社による持ち回りコラムです。
出版営業のちょっとした呟きから、本づくりの現場の空気を味わっていただければ幸
いです。
今月の担当は、今月から新規入会となった遠見書房様です。

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○遠見書房

皆様,お初にお目にかかります。
遠見書房と申します。
今年より心理学書販売研究会の仲間に加えていただくことになりました。今後ともどうかよろしくお願いします。

遠見書房は,カウンセリングや心理療法の分野,学問的に言えば,臨床心理学を中心に,その学際領域である精神医学や基礎心理学,社会学,福祉学といった本づくりをしています。
「心販研」の中では,2008年に創業した圧倒的に歴史の浅い会社です。当初は「ほぼ一人出版社」などと称していましたが,気がつけばアルバイトを入れると10人くらいいる会社になってしまっております。人間関係に疲れてこじんまりとした会社をつくったはずなのに,どうしてこうなってしまったのでしょうか。


会社の名前の読みは,「遠くを見る」『とおみしょぼう』です。何となく志があるようなないような。ご挨拶がてら,そんな社名にまつわるお話をしたいと思います。当然,名前をつけるにあたっていろいろと悩みましたが,まずは背表紙の下のほうに横書きで入るように3~5文字くらいにしようと考えました。作家の三島由紀夫は,駅名からつけたそうです。東海道線を東京駅から西に向かい,「三島」でピンときたのだとか。大磯由紀夫とか函南由紀夫になっていた可能性もあったのでしょうか。


似たような感じで,地名や川,山の名前のような「動かない名前」がよいと考えました。登山が好きなので,山名にしようと昭文社「エリアマップ」(登山地図)を10枚くらい広げて,ピンときたのが「遠見」でした。北アルプスにある百名山 五竜岳に「遠見尾根」という尾根があります。そこから拝借をしたのが,遠見です。

というのが簡単な解説ですが,もうちょっと困難があります。まず社名というのものは,近所に同業で似たような名前の会社があったりすると認められないこともあるんですね。そもそも出版社で名前がかぶってしまうのは書店員の皆様にとっても読者の方にとっても困ってしまいます。漢字では違っていても,読みが同じというのもあまりよろしくない。漢字で読み方がわかりにくい,なんていうのもよくありません。できればパソコンやスマホで漢字変換をしたときに面倒がないものの方がいい。

本にはISBNコードというのがついてますが,これの取得者の一覧が検索できるサイトがあって,そこに思いついた名前を入れていきました。ISBNは,まったくの個人の方も登録していますので,日本にどのくらいの出版者があるのかはわかりませんが,まあ,企業として存続しているところは数千はある。当然,知名度が高かったり,字面がいいな,と思った山名はすでに使われていたりする。昔の出版社であればそれで終わりでしたが,現代を生きる出版社にはSEO対策の必要性があります。SEOとは,Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)のことです。ま,要するに,「心理学 本」なんて検索をしたときに,上位にくるように自社のネット情報を操作すること。これがSEOです。


出版社名で検索をしてもらったときに他の情報が上位に表示されるのを避けたい。今の読者の方々は本を買う前にAmazonで検索をする人も多くおられるので,Amazon上でも検索上位にくるユニーク(類のない)な社名でありたい。他の商品名とかぶったりするのも困ります。そのためにウェブサイトにいろいろと細工をするのがSEO対策なのですが,金もかかるし,リスクもある。細工しすぎるとグーグル検索から排除されたりもします。で,一番楽なSEO対策こそオリジナリティのある名前をつけることだったりします。


たとえば,会社名に「心理出版」なんていう名前をつけたとしたら,「心理」「出版」であまたの検索結果が出てきてしまうことになり,きっとウェブの森に埋もれてしまいます。専門出版社の志としてはわかりやすいネーミングですが,検索しても全然出てこないというのではスタートアップの企業としては悪手です。お笑いコンビ「ラランド」のお二人がラジオか何かで,自分たちは何も考えずに名前をつけたので,エゴサーチが全然できない,ということを嘆いていましたが,確かにネット社会においてはあまりよくないことかもしれません。売れてしまえばいいんでしょうけれど。

ということで,思いついた会社名をISBNのサイトで検索をし,似たような名前がなければ次はグーグルで検索をする……ということを繰り返した結果,「遠見書房」という名前になったというお話でございます。皆様も会社名や商品名をつけるときなどにご参考いただければ幸いです。


創業数年後,とある女性が「遠見○○」という名前で大人向きの映像作品でデビューされ,大変人気となり,Amazonで「遠見」を検索すると,うちの本よりも上位にきてしまっていた……という困ったお話や,いまだ五竜岳にも遠見尾根にも行っていないというお話についてはまたの機会に。

今後ともどうかよろしくお願いします。(遠見書房・山内俊介)

2024年3月8日金曜日

心理学書販売研究会、2024年2月刊行の新刊です(PDF)

 

 

心理学書販売研究会、2024年2月の新刊です(PDF)

心販研ニュース 2024年月(PDF)

「心販研ニュース」(2024年2月最新号)」をご案内いたします。
お役立ての程お願い申し上げます。

このたび、新たに1社(遠見書房様)が当会に加わり、会員社が13社となりました。


学会情報はメール本文に記載しております。
また、質問箱(お問い合わせフォーム)は本メール末に質問箱フォームへのリンクを設置しております。
【学会情報】

3月開催

・日本AD/HD学会 :3/2(土)~3/3(日) 東京医科大学病院臨床講堂

・日本リハビリテーション連携科学学会:3/2(土)~3/3(日) 九州保健福祉大学

・日本発達心理学会:3/6(水)~3/8(金) 大阪国際交流センター

・日本心理療法統合学会:3/9(土) ハイブリッド形式 京都大学時計台記念館

・日本社会精神医学会:3/14(木)~3/15(金) 東北医科薬科大学薬学部(小松島キャンパス)

・日本集団精神療法学会:3/16(土)~3/17(日) 兵庫県立大学看護学部

・日本学校メンタルヘルス学会:3/16(土)~3/17(日) 早稲田大学早稲田キャンパス

4月開催
・日本統合失調症学会:.4/13(土)~4/14(日) 徳島大学蔵本キャンパス 大塚講堂 他

【TOPICS】
今回は誠信書房様と、春秋社様、明石書店様、小社よりトピックスがございます。

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◎誠信書房

<X(Twitter)にて紹介されました!!>

影響力の武器【新版】ISBN 9784414304299

ポケットブック影響力の武器 ISBN 9784414304275

が、川邊健太郎氏(LINEヤフー(株)代表取締役会長)
のx(Twitter)にて紹介されました。ツィート後、小社への問い合わせも多くなっております!!

https://twitter.com/dennotai/status/1759348527002694071

https://twitter.com/dennotai/status/1759376684766404673

在庫チェックの方、何卒宜しくお願いいたします!!

◎春秋社
2024年2月に、下記の売行良好書を重版いたしました。
・『ミルトン・エリクソン心理療法』 ダン・ショート 他
2014年4月刊/定価3,850円(本体3,500円+税)【11刷】
・『「生きづらさ」を手放す』 室城 隆之
2017年12月刊/定価1,980円(本体1,800円+税)【3刷】
・『発達障害からニューロダイバーシティへ』 モナ・デラフーク
2022年8月刊/定価2,640円(本体2,400円+税)【2刷】
貴店の棚をご確認いただき、補充ご検討いただけますと幸いです。

◎明石書店×ミネルヴァ書房
2冊の新刊を刊行しました。著者は、自らも発達障害の当事者であり、自助グループを運営する横道誠先生です。障害を社会との関係で考えます。

・『発達障害は〈擬態〉する』(明石書店)ISBN 978-4-7503-5702-7
2月15日、じんぶん堂で紹介されました。
https://book.asahi.com/jinbun/article/15162911
・ 『海球小説 次世代の発達障害論』(ミネルヴァ書房)ISBN 978-4-623-09699-2

ダブル出版記念として、横道誠-村中直人先生トークイベントを京都で行いました。
ぜひ、話題書コーナーでのご展開をおすすめいたします。