2023年12月6日水曜日

心販研コラム 心理のこまど

 「心販研コラム 心理のこまど」は、出版営業のちょっとした呟きから、本づくり、本の営業の現場の空気を味わっていただきたくはじめたコーナーです。


今月の担当はミネルヴァ書房さまです。

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▼机と電話
ミネルヴァ書房の辻橋と申します。御茶ノ水・駿河台の東京支社に勤務しています。

小社は創業1948年、学術専門書一筋に出版してまいりました。おかげさまで本年、9月1日創業75年を迎えることができました。深く感謝申し上げます。
戦後の混乱期の京都で「机と電話一本」で創業し、これまでに1万点近くの書籍を刊行してまいりました。

「ミネルヴァのふくろうは迫りくる黄昏をまって飛び立つ」というヘーゲルの言葉にちなみ、ミネルヴァ(知の神様)を社名に冠し、その使者であるフクロウを、小社のマークで採用しています。
 


 

 

 



最初の出版物は、『論理学入門』。その後、人文・社会科学の学術出版社として、徐々に人文・法経・教育・心理・福祉・保育と多岐にわたる分野を出版してきました。
また、季刊誌「発達」を、創刊の言葉「明日の世界をつくる子供たちと人間自身の発達を考える」ことを掲げ、1980年に創刊し、今年で43年目。現在まで定期的に刊行を続けています。


 

昨年8月には、『不登校の理解と支援のためのハンドブック―多様な学びの場を保障するために』(伊藤美奈子 編著)を刊行しました。


 


不登校支援に長年携わる現場のプロ36名が集結して書かれた本です。
心理職に限らず、学校の先生、福祉職として働いている方などの専門家たちが36名結集、学校教職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、当事者とその保護者、心理職を目指す学生など、様々な立場の人に読んでほしい1冊です。

2023年10月13日の報道で、不登校の小中学生が前年度より2割増え、過去最多の29万9,048人に上がったとの事。
本書が、自分と向き合い苦しんでいる子どもたち、そして、その子どもたちを支える保護者や教職員の皆さんにとって、何らかのヒントや希望の灯りとなることを願ってやみません。

支援にかかわる方といえば、
『発達障害のある人の「ものの見方・考え方」―「コミュニケーション」「感情の理解」「勉強」「仕事」に役立つヒント』(下山晴彦 /黒田美保 監修 高岡佑壮 著)も好評です。
2021年11月発売、その後じわりじわりと刷を重ね、5刷となりました。

 


自分や他人の特性について、一人ひとりの「くせ」を理解することの大切さを教えてくれます。そして、発達障害という括りで人を見てはいけないということに気づかされる一冊です。


                          (ミネルヴァ書房 辻橋 香織) 

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